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建物と結露


興和アークビルドの片倉です。
本日は、建物の結露に関して書いてみたいと思います。

まず建物の結露には2パターンの発生状況が存在します。
室内の窓廻りなどで目に見えて発生する物と、壁の中で発生し目に見えない結露とがあります。

室内の窓廻りなどで発生する結露に関しては、サッシ・ガラスの断熱性能が影響してきます。
サッシの断熱性能に関し、メーカー各社が出している断熱性能が高い樹脂複合サッシ等を使用する事で、サッシ枠からの結露発生は少なくなります。
この樹脂複合サッシというのは、サッシ本体はアルミ製となりますが、樹脂(プラスチック)でアルミを覆う事で、直接アルミが見えない作りとなっています。

ガラスに関しましては近年はLow-Eペアガラスが標準となってきております。
ペアガラスというのは、ガラスとガラスの間に中空層を設け、乾燥空気を封入しているものとなります。
より断熱性を高める為に、乾燥空気の代わりにアルゴンガス封入や真空状態にする場合もあります。
Low-Eガラスというのは、ガラス表面に目に見えない金属膜をコーティングする事で性能を上げているガラスとなります。
この金属膜を施す面を変えることで、断熱に強いタイプと遮熱に強いタイプと使い分ける事が出来るようになります。
一般的には、寒さの厳しい地域は断熱タイプとし、関東以南では遮熱タイプを使用する事が多いです。

これらを上手に使う事で、窓廻りの結露の発生はだいぶ抑制されるようになります。

次に、壁の中で発生する結露(壁体内結露)に関してですが、まず室内の湿気が壁内に入り込む事により発生します。
室内の湿気に関しては、生活していく上で絶対に発生してしまう物(台所・浴室洗面廻り)と、加湿器等で人為的に発生させる物とがあると思います。

冬場などは湿度が高いと暖かく感じやすいや、喉を潤して風邪予防等の側面がある為、心理的には湿度を上げたいという方向に傾くと思いますが、正直建物的には良くありません。
過剰な加湿は結露・カビの発生原因となってしまい、結果として建物が病に侵されてしまうという事になりかねません。

結果、湿気の発生を根本的に止める事はできないので、何か他の対応策を考えないといけないという事になります。

ではどういう方法があるかというと、こちらも2パターンがあります。

グラスウール等の繊維系断熱材の充填方法の場合に使用される方法で、防湿フィルムを壁下地石膏ボードの裏に先張りをする方法です。
これは繊維系の断熱材が濡れた状態になると、断熱効果が著しく下ってしまう性質がある為、湿気を帯びないように手前の部分でバリアして、湿気が壁内に入らないようにするという事です。
近年の製品では、断熱材を封入している袋の厚みを厚くして、防湿フィルム兼用としている物もあります。

もう一つの方法は、当社標準仕様で採用している方法となりますが、湿気を透過させる性質を持つ断熱材を使用し、外壁通気工法を採用する事で、室内の湿気を外に排出してしまうという方法です。
通常、外壁モルタル下地の場合、防水紙はアスファルトフェルトという、アスファルトを含浸させた防水紙を使用しますが、外壁通気の場合は透湿防水シートというものを使用します。
透湿防水シートは、字の通り「湿気は透過させるが、水は防ぐ」という性能を持っています。
以前はモルタル施工で使用できるものはありませんでしたが、技術の進歩で近年ではモルタル施工でも使用できるものが流通しております。
このように、湿気を透過するものを出来る限り使用する事で、壁内に湿気を滞留させずに結露を防ぐという事です。

どちらも利に適っており、問題が無い方法となりますが、後者が近年の主流となっております。

結露に関しての発生原因は様々です。その原因に合わせた対応が必要となってきます。

一つ言える事は、どんなに色んな対策を講じたとしましても、

過度な加湿をせず、換気をする事が何よりも大事な対策方法となります。

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